石田衣良・新潮社・2003年
男子中学生4人組の日常生活が描写された短編集です。
児童書以外で初めて読んだ小説がこの本だったので、自分にとっては思い出深い作品です。
当時は主人公たちと同じ14歳でした。彼らの台詞や考え方に、共感できる部分がいくつかありました。
また、登場人物は様々な問題に遭遇することになるのですが、それらに真っ直ぐと向き合う姿勢に好感が持てました。
作中には性的表現のあるシーンがあります。この本を初めて読んだ頃は、そういったタイプのものに触れたのは初めてで、読んで良いのだろうかと考えていました。はじめのうちは、このようなシーンはなるべく飛ばしながら読んでいました。
けれども、最後のページの文章を見た後、飛ばした部分の中身も気になりました。そして、「直木賞受賞作品だから読んでも大丈夫だろう」と心の中で自分に言い訳をしながら、性的表現のあるシーンも含め最初から全て読み直しました。
結果としては、この作品以外の性的表現のある小説にも触れるようになりました。
この本には、同性愛がテーマとなっている、「ぼくたちがセックスについて話すこと」という章があります。
この章の終盤にある、主人公のモノローグが特に印象に残っています。当時とても共鳴したもので、今現在私がBL要素や百合要素のある作品に触れている主な原因でもあります。
簡単にまとめると、この小説は、自分にとって影響を受ける要素の多いものでした。
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