山中恒・角川つばさ文庫・2012年(初出版は旺文社・1980年)
小学生の男の子と女の子の身体が入れ替わってしまうという内容です。
児童書ですが、読んだのは成人した後でした。それでも、かなり楽しめました。
今年、高校生の男女の身体が入れ替わるという映画が流行りました(小説は読みましたが映画はまだ見ていないので、あまり詳しいことは書けません)。
その映画に対して、以前テレビである漫画家が、「男女が入れ替わったらまず最初にすることがあるでしょう」といった、批判的な発言をしていました。
この意見を聞いたとき、そういったシーンが見たいなら『おれがあいつであいつがおれで』を読めば良いと考えました。
この作品では、男女の性差がはっきりと書かれています。メインの登場人物2人は、入れ替わることでこの違いを身を持って知ることになります。
人が成長していく上で、男子には男子、女子には女子特有に大変なことがあると学んでいく姿に好感が持てました。
また、2人が幼馴染であることも、この作品のポイントだと思います。彼らはお互いに関して、入れ替わった後に初めて知ったという事柄もあります。
相手がどのような人物であるか十分に理解しているつもりでも、実際はそうではなく、当人にしかわからないこともあるのだと感じました。
[0回]
PR