フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。
吉里吉里製・推理ノベル・現代日本もの・選択肢あり・中編・難易度高い・ED6種類(真ED1種類)
仙台D高専という学校の学生寮で起こった密室殺人の謎を解くという内容です。
OP映像や時刻が表示されるシーンにミステリーらしい雰囲気が出ていて好きです。
背景に実在する寮の写真が使われていた点も、舞台となっている場所がどのようなところなのか把握しやすくて良かったです。
エンディングは大きく分けて、主人公が犯人を当てるノーマルエンド・ベストエンドと、主人公が犯人を当てることに失敗するバッドエンドがあります。といっても、真犯人が分かるのはベストエンドのみです。
ノーマルエンドは、バッドエンドにヒントがあり、それを参考にして見ることができました。しかし、ベストエンドはかなり難しく、見るのが大変でした。
ゲームと同梱されているテキストにヒントがありますが、それでもなかなか分かりませんでした。その代わり、正解である選択肢を選べた時は結構嬉しかったです。自分の場合は、現場の調査をするという段階で選択肢を間違えていました。
また、ベストエンドに繋がる選択肢を選んだ後履歴を読み直してみると、「この登場人物こんな行動をしてたんだ」と思う文章がありました。登場人物の行動をメモしながらプレイするタイプの人なら選択肢を選ぶ前に気付くかもしれません。
事件の真相を探るという要素だけでなく、知り合い同士で疑い合ったり犯人の動機を知ったりするシーンの描写も好みでした。学生寮という舞台設定が生かされているようで面白いと思いました。
この作品には立ち絵はありません。けれども、プロローグに出てくる結城や主人公の相部屋である英田という登場人物に、個人的に格好良いと感じた場面がありました。
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CatSystem2製・ノベル・現代日本もの・シリアス・長編・選択肢なし・ED1種類
両親の不仲や虐待などのいろいろなことを経験したことによって、人を信じられなくなった兄妹の物語です。
仲良くしようと話しかけてくれる人に対しても、本当は何を考えているのか分からないと不審に思うことがある点など、共感できる部分がありました。それでも、二人は信頼できる人を見つけます。二人の精神的な成長が自分と比べると早い気がして、少し羨ましいと感じました。
兄妹の他に、兄の元幼馴染でクラスメートである「日向灯」という少女がメインキャラとして出てきます。この作品はシリアスですが、彼女が出てくるシーンでは、雰囲気が明るくなったような気がして安心できました。このノベルを最後まで読んだ一因は彼女にあると思います。
けれども、妹は重い病気を患っており、それがこの物語に深く関わってきます。そのため、全体的に重い内容でした。
最初はオチが読めると思っていました。そして、予想通りの展開がありました。しかし、その後、予想していなかった展開があり、衝撃を受けると同時に素晴らしい作品だと思いました。
BGMも印象に残りました。特に、序盤などのシリアスな場面で流れたBGM「悲愴」と、作中で流れた歌「あの丘の上まで」が好きです。
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吉里吉里製・選択肢無しノベル・現代日本もの・短編・ED1種類
ある雨の日の出来事を描写したノベルです。
立ち絵だけでなく背景の絵も、このゲーム専用に用意されたものだそうです。その背景の絵が、雨が降っているシーンでは、濡れた道路に建物が反射しているものになっていました。細かいところにまでこだわっていて、是非見て欲しいと思いました。
ストーリーは、主人公の少年が偶然出会った年上の女性と会話をするといったものです。ほのぼのして優しい雰囲気でした。今は雨はあまり好きではありませんが、この物語のようなことがあるなら降るのも良いかもしれないと感じました。このゲームに出てくるような出会いをしてみたいです。
セーブ・ロード機能はありません。しかし、20分程度で読み終わるのでなくても問題ないと思います。
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2018年3月11日追記……現在は公開停止となっているようです。ただし、再公開の予定はあるそうです。
吉里吉里製・選択肢無しノベル・現代日本もの・短編・ED1種類
タイトルからも分かる通り、電車に乗りに行くという内容です。観光シーンもありますが、電車関係のシーンがメインです。
私は地理に疎いのですが、ゲーム内で詳しい説明があったため理解できました。
乗り継ぎや座席の様子などが具体的に描写されていて、雰囲気を楽しめました。ちなみに、私は座席に関しては、ボックス席よりロングシートの方が乗り降りがしやすくて好きです。
これまで、どの路線、どの車輌がどのようなものかということもほとんど知りませんでした。しかし、このゲームをプレイして、少しだけ分かった気になれました。
設定画面で見られる総プレイ時間をゲーム終了後に見たら約1時間でした。実際にはゲームのような旅をすると、もっとのんびりしたものになると思います。それでも、登場人物が電車や景色を見て感動している様子が面白くて、自分も旅に行きたいと感じました。
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