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お気に入りと自由帳

フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。

きまぐれロボット

星新一・角川文庫・2006年

SFショートショートです。

今まで、SFに触れたことはあまりありませんでした。というのも、専門用語が多くて難しいというイメージがあったからです。
しかし、この作品には、特別な言葉は出てこなくて、読みやすかったです。

博士の発明品やロボットなどが出てきますが、それらにオリジナルの名前はつけられていません。何をするためのものか、何ができるのかという説明のみだったことが、私にとって分かりやすかったでした。

小学生でも読めるように作られていたこともあり、状況を把握し想像するのが一部を除いて簡単でした。また、どの物語も序盤でオチが気になり、最後まで読もうという気持ちが出てくるものでした。

「夜の事件」、「鏡のなかの犬」が特に好きです。前者は言葉遊びのようなものが楽しめました。後者は、教育的な要素が感じ取れるものでした。

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ロボットとベッドの重量

小説・直木三十五

人間の恋愛に関わるロボットが描写されている作品です。

展開自体は、今では珍しくはないかもしれません。けれども、こういった内容の作品が結構前からあったことを知って、面白いと思いました。

物語は、人間の夫婦の会話から始まります。それがどろどろとしていて、衝撃的でした。
そして、夫婦の恋愛にロボットが関わることで大変なことが起こります。フィクションなのでこの作品を楽しむことはできましたが、実際には似たようなことはあって欲しくないと思いました。
ただ、終盤まで読むと、ロボットにも少しは人間らしい部分があるように感じました。

ちなみに、「青空文庫」というサイトでこの小説を読むことができます

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ミッキーマウスの憂鬱

松岡圭祐・新潮社・2008年

ディズニーリゾートで働くスタッフの仕事について書かれた小説です。

主人公が新人なので、ディズニーリゾートについて何も知らない立場から読んでも分かりやすかったです。スタッフのことを「キャスト」、客のことを「ゲスト」と呼ぶこともこの小説で初めて知りました。
フィクションですが、仕事の内容が結構詳しく書かれていて、実在する場所の裏側を覗けた気分になれて楽しかったです。

ミッキーマウスの出番は想像していたより少なかったです。しかし、タイトルに「ミッキーマウス」という文字がなければ読まなかっただろうし、出番が少なくても行動が格好良いと思える場面がありました。
 

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アルジャーノンに花束を

ダニエル キイス・早川書房・1989年

心理学の講義を受けたことがあります。その心理学の教科書で紹介されていました。
あることをきっかけとして、主人公の男性に変化が起こるという内容です。

この本について、心理学の先生は「ひらがなが多くて変な文章から始まる」と言っていました。この説明を聞いていなければもしかしたら、読みにくい文章だと感じてすぐに読むのをやめていたかもしれません。しかし、実際は、ひらがなの多い文章から始まることで、主人公が成長して文章にも漢字が増えた時の変化が楽しめました。

読んだ時の一番の感想は、「ギャルゲみたい」というものでした。そのような見方をする小説ではないだろうなとは思いました。それに、恋愛がメインではなく細かいことを挙げていくとギャルゲと異なる点は多数あります。けれども、男主人公の視点で物語が語られる点や、主人公がいろいろな人と関わっていく上で成長し、覚えていなかった昔のことも思い出し、異性とも付き合うという点から当時はそう感じました(ギャルゲを数多くやっている訳ではないので違う部分もあるかもしれませんが、ギャルゲに対してはそのようなイメージを持っていました)。

タイトルにある「アルジャーノン」の出番が少なく感じたのは気になりました。心理学のどの内容と関係があったのかも忘れてしまいました。
しかし、主人公と周囲の関係が興味深い内容でした。また、主人公が頑張っている様子が伝わってきて、自分も頑張ろうという気持ちに少しだけなれました。

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NHKにようこそ!

滝本竜彦・角川文庫・2005年

本屋でタイトルを初めて見たとき、NHKの仕事について書かれたものなのかなと思っていました。しかし、本を手に取って裏表紙のあらすじを読んでみると、全然違い、声を出して笑いそうになりました。本屋の中で笑うのは恥ずかしいので、買って帰って読みました。

主人公は自分のことを「ひきこもり」と言っていますが、結構外に出ているのでひきこもりというよりはニートに近いのではないかと思いました。けれども、「ひきこもり」という設定だからこそこのタイトルがあるので仕方ないと思いました。ホンの少しだけですが、NHKのアニメについて語られていたのも面白かったです。

前半は面白くて笑っていました。けれども、途中からシリアスな話になり、その内容が理解できるものだったため、途中で少し泣きました。小説で泣いたのはこれだけです。
文体は真面目な小説が好きな人には合わないかもしれません。ただ、私にとっては、あまり考える必要がなくて楽に読めるものでした。

ヒロインの岬が特に印象に残りました。この本を読む少し前に宗教の勧誘を受けたので(相手は「宗教じゃないよ」と言っていましたが)、彼女の言葉や経験してきたことに共感できることがいくつかありました。

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