2冊同時に紹介したいと思った本があります。下記のもので、概要はタイトルの通りです。
『語彙力こそが教養である』齋藤孝・角川新書・2015年
『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』サンキュータツオ・角川文庫・2016年
一部ではありますが、どちらにも共通して書かれていることがあります。様々な状況に対して、「やばい」や「可愛い」という単語がひとくくりにして用いられるときがあるということです。
それについて、前者は、日本には他にも多くの表現方法があるのだから、別の言葉も使ってみてはどうかというスタンスをとっています。後者は、日本語は常に変遷するものであり、相手に伝わるのであればこのような使い方をしてもかまわないといった意見が書かれています。
どちらも大学で日本語に関することを教えている立場の方が著者であり、同じ出版社から刊行されている本でありながら、正反対のことが書かれていて笑いそうになりました。
前々から薄々感じてはいたのですが、この2冊を読むことで、「本に書いてある事柄が正しいとは限らない」と確信しました(実際、小学校に置いてあったある本に載っていたものに間違いがあったと、高校卒業後に知って驚愕した覚えがあります)。
この2冊の場合は、どちらか一方のみが正しいという答えはないと思います。だからこそ、両方を読むことによって得られた満足感がありました。
ただ、娯楽として読むのであれば、『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』を推奨します。
ノリが軽いため人を選ぶかもしれませんが、複数の国語辞典が擬人化されたキャラクターとともに解説されていて、中身が頭に入ってきやすかったです。また、自分に合った辞書を判断してくれる「辞書占い」が載っていて、診断した後に当該辞書の説明ページを見ると、納得できるような気持ちになりました。
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