フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。
滝本竜彦・角川文庫・2005年
本屋でタイトルを初めて見たとき、NHKの仕事について書かれたものなのかなと思っていました。しかし、本を手に取って裏表紙のあらすじを読んでみると、全然違い、声を出して笑いそうになりました。本屋の中で笑うのは恥ずかしいので、買って帰って読みました。
主人公は自分のことを「ひきこもり」と言っていますが、結構外に出ているのでひきこもりというよりはニートに近いのではないかと思いました。けれども、「ひきこもり」という設定だからこそこのタイトルがあるので仕方ないと思いました。ホンの少しだけですが、NHKのアニメについて語られていたのも面白かったです。
前半は面白くて笑っていました。けれども、途中からシリアスな話になり、その内容が理解できるものだったため、途中で少し泣きました。小説で泣いたのはこれだけです。
文体は真面目な小説が好きな人には合わないかもしれません。ただ、私にとっては、あまり考える必要がなくて楽に読めるものでした。
ヒロインの岬が特に印象に残りました。この本を読む少し前に宗教の勧誘を受けたので(相手は「宗教じゃないよ」と言っていましたが)、彼女の言葉や経験してきたことに共感できることがいくつかありました。