12月の物語
あれは寒い冬の真夜中のことでした。
小学1年生だった私は、「夜9時には寝なさい」という親の言いつけをきちんと守り、大人しく布団に入っていました。
しかしなかなか寝つけず、目だけを閉じて横になっていました。
しばらく経って、ガサゴソという音が聞こえました。気になってうっすらと目を開け、物音のする方を見てみました。
すると、部屋のドアが開き、一瞬、真っ赤な人影が見えました。暗くてぼやけてましたが、頭から足の先まで赤いということだけは分かりました。
その後、何故か急に睡魔が襲ってきて、寝てしまいました。
翌朝起きると、見たことのない赤い箱が置いてありました。
怪しいものかもしれないという不安はありましたが、好奇心に勝てず、開けてしまいました。
中にはくまのぬいぐるみが入っていました。
後から分かったことですが、それは、サンタクロースがクリスマスプレゼントを持ってきただけだそうです。
親に、「決して怪しいものではない」と言われました。
しかし、それまでぬいぐるみで遊んだことがなかった私は、使い方が分かりませんでした。とりあえず机の上に置いておくことにしました。
数年後、インターネットで「ひとりかくれんぼ」という遊びがあることを知りました。ぬいぐるみってこうやって使うのかと思い、やってみようとしました。
ぬいぐるみをはさみで切り、中から綿を取り出そうとしました。けれども、綿と一緒に小さくて四角いものが出てきました。
何かは分かりませんでしたが、本来、ぬいぐるみには入っていないはずのものです。
それが何なのか気になって、ひとりかくれんぼをやめました。
翌日、携帯電話で小型の何かについて調べてみました。いろいろ検索したり、質問系の掲示板に写真をアップロードしたりしました。
そして、答えが分かりました。
隠しカメラです。数年間、私の生活を誰かが見ていたということでしょうか?
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