ティラノビルダー製・ノベル・現代日本もの・短編・選択肢なし・ED1種類
無職の青年が、自殺をしようとするという内容です。
しかし、失敗して、1人の少女と出会います。
主人公の語りからは、夏目漱石の『こころ』や太宰治の『人間失格』を連想しました(ただし、記憶があやふやなので、似ているとは断言できません)。
また、正しい対応方法を知らない身でありながら、自殺を引き留めるときに使用されるらしき言葉に否定的感情を持ってしまうことがあるなどの思考回路は、自分と近しいと感じました。
作中で挙げられる例の1つとして、「辛いことがあれば逃げても良い」というものがあります。読んでいる途中で、この言葉に対して、「そういうことを言う人も、生きるという行為自体から逃げることは許さないのだな」という考えに発展しました。
他にも様々なことを考えましたが、結局は、自殺をしようとしても死なないこともあると知っていることが、抑止力になる場合もあるのだと思いました。
主人公が少女と出会うことで起こった変化はわずかではありますが、生というものについて意識を向けたくなるものでした。
色の付いていないイラストも印象的でした。
この作品は、
「ノベルゲームコレクション」で公開されています。
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