フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。
WORF RPGエディター・ホラーADV・和風・中編・難易度高め・ED1種類
主人公の陶芸家が実家に帰る途中に立ち寄った村で、ある問題に巻き込まれるという内容です。
アクション要素があり、ゲームオーバーも結構あります。
舞台となっている村には、ある風習があります。ゲームを進めることによって、風習のことを詳しく知ることになります。
こういったタイプの作品に多く触れていれば想像はつく内容かもしれません。ただ、このような題材は個人的にかなり好みです。
また、この舞台には「うつしよ」と「うつろよ」という、2つの世界があります。主人公はこの2つの世界を行ったり来たりしながら村の秘密を探ることになります。
2つの世界は基本的には似ているのですが、少しずつ異なる点があり、比較することが楽しかったです。特に「うつろよ」はホラー要素が強く、ドキドキしながらプレイしました。
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LiveMaker製・ノベル・現代ファンタジー・短編・選択肢あり・難易度普通・ED1種類
空中を泳いでいる魚を見かけた女性が、魚を追いかけていくうちに不思議な世界に辿り着くという内容です。
選択肢の中から正しいものを選ぶ場面と、文字入力を行う場面があります。
背景は素材サイトのものがいくつか使われているそうですが、ほとんど見たことがないもので、綺麗でした。
文章も背景に合った魅力があって、この作品に出てくる「不思議な世界」に実際に行ってみたいと、最初は思いました(ちなみに、オリジナルの背景は、このゲームを進めるために重要な場面で使用されています)。
しかし、「不思議な世界」の秘密を知っていくうちに、本当は怖い場所であることが分かります。
主人公が元の世界に戻るために試行錯誤を重ねるのですが、文字入力を行う場面では、自分も主人公と一緒に元の世界へ戻る方法を探している気分になりました。
とはいっても、この作品の舞台が綺麗で魅力のあるという点は最後まで変わらず、今まで見たことのない素晴らしい世界を見た気がしました。
物語を進めるためのヒントになる場面やラストシーンなどでの、言葉の選び方は尊敬します。
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2015年12月3日追記……現在はサイトはリンク切れとなっています。作品自体も公開停止されているようです。
15歳以上推奨・NScripter製・ノベル・現代日本もの・短編・選択肢なし・ED1種類
帰宅部である男子3人組の、ある夏の出来事が描かれた作品です。特別なことが起こるという物語ではなく、日常の中の一つの場面が描写された内容です。
下ネタが多いので、苦手な方は注意してください。
明るいストーリーで、少年向けギャグ漫画にありそうなテンションでした。メインキャラ3人の個性も強かったです。
自分にとってはもう遅いことなのですが、学生時代に友達と関わることの有意義さを感じました。ただ、作中に出てくる行為はどう考えても暑そうな上危険なので、実際に行うことは推奨できません。
ラストシーンが個人的にかなり好きです。
スポーツや恋愛だけでなく、こういったタイプのものも青春だと思いました。
この作品は、「Vector」で公開されています。
吉里吉里製・パズル・現代・短編・難易度普通
画面の上から落ちてくる絵を組み合わせて、1つの絵を完成させるゲームです。
恋愛がテーマで、どちらかといえば女性向けです。
プレイして真っ先に感じたのは、「吉里吉里を使ってこのようなものが作れることがすごい」ということです。
吉里吉里は元々ノベルゲームを作るためのツールです。専用の言語というものを使う必要があるため、ノベルゲームを完成させるということも大変な作業だと思います。
その上落ち物パズルになるということが珍しく、どのような仕組みになっているのか気になりました。
問題として出てくる絵は2つあります(1つは、フリーモードを選びサンプル.tlgというファイルを選ぶと遊べます)。
ストーリーモードで出てくる絵の方は、パズルが始まる前にムービーが流れて(タイトル画面からクイックスタートを選ぶとムービーはスキップします)、絵に登場する人物の間にどのようなストーリーがあるのか想像したくなるようなものでした。
フリーモードで出てくる絵については、同じ製作者の方のとある作品をプレイした方であればより楽しめると思います。
フリーモードでは、自分で画像を用意して遊ぶということもできます。
難易度は初期設定のままだと高めに感じましたが、自分に合うように調整できるので便利でした。
制作者の方のサイトはこちらです。
LiveMaker製・ノベル・ホラー要素あり・現代日本もの・中編・
選択肢あり・難易度普通・真ED1種類
男子生徒が夏休みに自由研究として「鬼の子りんたろう」という絵本について調べるために、昔遊んでいた田舎を訪れるという物語です。
ストーリーが進む度に、「piece」という、ヒントになるシナリオなどが読めるようになります。
第一に書きたいことは、「鬼の子りんたろう」という絵本についてです。この絵本には、ある伝承が元になっているという設定があります。
絵本も伝承も架空の話なのですが、どちらも日本のどこかに似たような言い伝えがあってもおかしくないように思いました。絵本の中身や作者の名前には言葉遊びが使われていて、面白くもありました。
もう1つ書きたいと思ったことは、後半になって分かる、「鬼」がどのような存在であるのかということです。
鬼と、鬼と関わって来た人間とのやりとりに生々しさがあり、悲しい場面もあって考えさせられるような内容でした。
田舎らしさが伝わってくるストーリーで、一部にはリアリティーを感じる要素もありました。
この作品は、「ふりーむ!」で公開されています。