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お気に入りと自由帳

フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。

後ろ向きへ帰る場所

WOLF RPGエディター製・ADV・現代ファンタジー・短編・
難易度普通・ED4種類(真ED1種類)

男子中学生が、行方不明になった幼馴染を探すという内容です。
彼はそのために、思い出のある日に帰れると噂されているバスに乗ることになります。

背景やスチル、食べ物のグラフィックなどのこだわりが伝わってきて面白かったです。
また、全体的に、ノスタルジーを感じることができました。

ゲーム内容は、クラスメイトから手掛かりとなる情報を集めることによって、バスの行き先を決めるというものです。
作中の一部でも触れられますが、田舎の学校では、人間関係に関する噂や本人の知られたくない秘密がすぐに広まります(実際、ほとんど接点のない人が私に弟がいることを知っていたり、誰にも尋ねなくてもクラスメイトの家庭環境に関する情報が勝手に入ってきたりしました。加えて保護者間にもネットワークがあるため親から、「この人とは関わってはいけない」とか、「この人が受験に失敗した」とかいった話をされました)。

そのような状況で私がとってきた方法は、なるべく人と関わらないようにするというものでした。また、小学生の頃はしてきましたがそれ以降からはずっと、「仲良くなった人を家族に会わせる」という行為ができません。

一方、主人公の場合は、誰からどのような情報をもらっても偏見を持たずに積極的に皆と接することができ、秘密を広めたりはしないため、好感が持てました。
だからこそ、周りも協力してくれるのだろうなと考えました。

バスの行き先では、様々な人物の良かった思い出や、彼らにその後起こった出来事が語られます。
皆それぞれ異なるものの、人生というものについて考えるきっかけとなり、感情移入しやすかったです。

トゥルーエンドは、一応のハッピーエンドではあります。しかし、それを含めてどのエンディングでも必ず、救われない人が出てきます。
切なさがありましたが、世の中の現実が描写されていて、印象に残りました。

製作者の方のサイトはこちらです。

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HAUNT

15歳以上推奨・残酷表現あり・RPGツクールMV製・ノベル・
現代日本もの・短編・選択肢あり・難易度やや低め・
ED3種類(真ED1種類)・ゲームオーバーあり

会社員の青年が、付きまとう視線に悩まされるという内容です。
トゥルーエンドは、他の2つのエンドを迎えた後、見られるようになります。

製作ツールの仕様上、既読スキップと文章を読み返すことができない点には少し不便を感じました(エンターキーを押しっぱなしにすることで早送りはできますが、読んでいない文章も飛ばすことになってしまいます)。
しかし、いつでもセーブ・ロードが可能な点と、エンディング分岐がわかりやすい点には好感が持てました。

読み進めることによって主人公が置かれている状況の謎が深まり、真相を知りたくなりました。
王道サイコホラーとしての怖さがある物語でした。

この作品は、「ふりーむ!」で公開されています。

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Ru/Stairs

RPGツクールMV製・ADV・現代ファンタジー・短編・難易度低め・ED1種類

主人公が、どこかの階段を上るという内容です。
ストーリーを進めることによって、階段を上る理由が判明します。

階段を上るだけで必ずエンディングに辿り着けるため、ゲーム性よりストーリーが重視されているタイプの作品でした。
一部ですが、進行には影響しないものの、オブジェクトを調べることによって出てくる台詞が用意されていた点が好みでした。

作中では、主人公の過去が語られます。そして、どのようなものであっても、変えることはできないという事実が突き付けられます。
だからこそ、未来をどうしていくかということについて、考えさせられました。
こういった類の事柄に関して答えを見つけることは難しいため、1つの決断を下した主人公はすごいと感じました。

この作品は、「ふりーむ!」で公開されています。

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狂い愛

15禁・17歳以上推奨・残酷描写あり・ティラノビルダー製・乙女ゲー・
現代日本もの・短編・難易度やや低め・ED7種類・攻略対象1人

両親から虐待されていた少女が、ストーカーに助けられるという内容です。
ヤンデレがテーマとなっています。

攻略対象が主人公を助ける方法は、主人公にとってはトラウマになりかねないものでした。また、彼は、主人公以外の人物には酷い対応をします。
愛の形としてはとても歪ですが、2人が出会うまでの経緯や、主人公にとっては相手が他にいないということを考えると、そのような相手であっても彼女が依存してしまうのも無理はないような気がしました。

おまけシナリオは、本編以上に衝撃的でした。

製作者の方のサイトはこちらです。関連漫画も載っています。

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もし乙女ゲの攻略対象がギャルゲーマスターだったら

12歳以上推奨・ティラノビルダー製・乙女ゲー・現代日本学園もの・
短編・難易度普通・ED4種類・攻略対象1人

内容はタイトルの通りです。
女子高校生が先輩から、ギャルゲーで学んだ恋愛力を試す実験台にされます。

選択肢は結構あるものの、セーブスロットは5つです。
しかし、画面左側に表示される攻略ゲージやEDヒントがあるため、プレイしやすかったです。

この作品のテーマは、「ゲームと現実は異なる」というものです。
ゲームに関わらず恋愛がメインとなっている創作物の多くは、物語を成立させるために不都合な要素はカットされたり、登場人物にとって都合の良い設定が与えられたりします(『フラッガーの方程式(朝倉秋成・角川文庫・2021年)』という小説の中で具体例が挙げられているので、興味のある方は読んでみてください。また、1つ前の記事で書いた、「家族との顔合わせ」などもそうです)。

ゲームであれば相手の好みに合わせた選択肢を選べば攻略できることが結構ありますが、実際の恋愛はそんなに簡単ではないことを知っている(どうすれば恋愛ができるのかはわかりませんがとりあえず、相手に合わせてもらいたい人もいれば、そうではない人もいるということだけは知っています)からこそ、楽しめました。方向性は間違っているとはいえ、先輩の努力の仕方は嫌いではないと感じました。

電話番号をいつ交換したのかという点や、ギャルゲーにも絶対攻略不可能な女の子が登場することもあるという点など、気になるポイントはありました。
けれども、この作品自体もゲームであると考えれば、納得できました。

この作品は、「ふりーむ!」で公開されています。

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現代日本を舞台とした創作物が特に好きです。

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