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お気に入りと自由帳

フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。

本の感想いくつか

普段は好きな作品そのものに対する感想を書いているのですが、今回は少し特殊です。
今回書くのは、好きなフリーゲームで触れられていたことにより、気になって読んだ本の簡単なまとめです。読んだ時系列順に並べています。

『ラヴクラフト全集(2)』
H・P・ラヴクラフト 著・宇野 利泰 訳・創元推理文庫・1976年

「クトゥルフの弔詞 ~夢声慟哭~」をプレイして、元ネタも読もうと思いました。何故「2」かというと、クトゥルフ神話のメインらしき「クトゥルフの呼び声」が収録されていたからです。
比喩表現が多いという点が1番強く印象に残りました。小説の方は、状況がよくわからないという部分も正直いくつかありました。
このわからなかった部分について、ゲームではイラスト付きで描写があり舞台も日本に変換されていて、全て分かったとは言えませんが大体は理解しやすかったです。

『江戸川乱歩傑作選』 
江戸川乱歩・新潮文庫・1960年

「牢-RAW-」や「もしも…幽霊屋敷に泥棒が入ったら…」など、江戸川乱歩作品がネタとしてくるフリーゲームは複数あります。
多くの人に影響を与えている江戸川乱歩という人物はすごいと思いました。
昔に書かれた小説でありながらわかりやすく、どれもオチにインパクトがありました。

『孤島の鬼 江戸川乱歩ベストセレクション(7) 』
江戸川乱歩・角川ホラー文庫・2009年

『江戸川乱歩傑作選』が面白かったので、ネット上で評価の高かったこちらも読みました。
主人公と友人の関係性と、後半からの盛り上がりが興味深かったです。
「孤島」に隠された秘密を知ったとき、「とんでもないことだけどもしかしたら昔はあり得たかもしれない」という考えに至りました。

『博士の愛した数式』
小川洋子・新潮文庫・2005年

「ミカガミカガミ」の影響で読みました。しかし、もしかしたら全くの無関係だったかもしれません。
双方に共通するのは、「ぼくの記憶は~分しかもたない」という一文が出てくるという点です。
他の部分は全て異なっていて、この一文自体も全然違う意味を持っていたところが面白かったです。

『罪と罰(上・下)』
ドストエフスキー 著・工藤 精一郎 訳・新潮文庫・1987年

「かみさまの心臓」でほんの少し触れている場面があり、興味を持ちました。
この小説は私にとっては、難易度の高いものでした。ネットで解説を調べながら読み、「罪」というものに対する考えは、人によって異なるのだと感じました。

『ジキルとハイド』
ロバート・L・スティーヴンソン 著・田口俊樹 訳・新潮文庫・2015年

「ユーラルーム」に影響されて読みました。
読んだのがゲームをクリアした後だったということと、表紙に作品の内容が書かれていたことで、読む前からオチはわかっていました。しかし、それに至るまでの過程が気になるものでした。
私の持った感想は、この本の最後に書かれている、訳者による解説とほぼ同じです。

個人的にはまったのは、『江戸川乱歩傑作選』に収録されている「芋虫」と、『ジキルとハイド』です。
中身を知っている方には、残酷なものが好きなのだろうと思われるかもしれません。けれども、理由はそうではありません。
どちらも1番の理由は、登場人物の置かれている状況を想像することで、「人間」という存在について考えされられたからというものです。

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いっしょ。

LiveMaker製・ノベル・現代学園もの・短編・選択肢あり・ED1種類

女の子が昼休みを、友達と一緒に過ごすという内容です。
イラストにも文章にも温かさのある作品でした。

本編のストーリーは、友達の台詞のみで進みます。そのため、感情移入がしやすかったです。
そして、このような友人が欲しかったと思いました。

おまけシナリオでは、主人公の設定がわかります。彼女は、小学校高学年から中学校時代の自分と良く似ていました。
ただ1つ大きく異なっていたのが、主人公には積極性があったという点です。彼女のように自ら行動を起こせていれば、当時の学校生活は違っていたかもしれないと考えました。

制作者の方のサイトはこちらです。

2017年3月5日追記……完全版にあたる、「一緒。」も公開されました。こちらは選択肢なしで、周回プレイによってストーリーが進みます。
この作品の場合は地の文があり、「いっしょ。」とは異なった雰囲気を楽しめました。

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わが子を愛せなくなる時

ティラノビルダー製・ノベル・現代日本もの・短編・選択肢なし・ED1種類

児童虐待がテーマとなっているノベルです。
この物語の主人公は、幼い娘を持つ母親です。

今まで私が触れた、児童虐待の描写がある作品は大抵、被害者の視点がメインのものでした。そして、その度に、被害者側に同調していました。
しかし今回は、母親の心情にも理解できる部分がありました(むしろ、この物語の場合は、主観ですが、母親より父親の方が、子どもを持つ親としての自覚が足りていなくて酷いと感じました)。

数年前学校で、「ネグレクト」という虐待をする親の過去や現状を説明するビデオを見ました。当時真っ先に考えたことは、自分に子どもがいたら同じことをするかもしれないということでした。
そして、このノベルで出てきた行為についても、この程度は普通にあり得そうだと思いました。

子どもという存在は、時に見ていられないような行為をすることがあります。
ご存じの方であれば、アニメ「クレヨンしんちゃん」でひまわりが産まれてすぐあたりの放送、もしくは、ドラマ「大好き!五つ子」の1作目を思い出していただけると伝わると思います。また、私自身も小さい頃、興味本位で危険なことを冒してしまったことがありました。
こういった場面を見ると、親がイライラするのも仕方ないような気がします。

だからといって、虐待自体は許されるものではありません。子どもが悪いことをしたときに注意することとは異なります。
一方、「わが子を愛せなくなる時」の母親については、1回だけしてしまった行為に対して悩んでいて、娘とは良い関係を作ろうとしていたので、応援したくなりました(今まで被害者側に同調してきた作品は、虐待のレベルや継続性、動機などが違いました)。

結論としては、既にわかってはいたことですが、子育てはとても大変だということを改めて感じました。
個人的な意見としては、大変だからこそ、きちんと責任を持てるようになり、周囲の環境を整えてから始めるべきだと思います。私の場合は、自分が子どもに酷いことをしないという自信がなく、将来的に育児をする予定がありません。そして、それより前の段階の行為をする機会がなく、正直安心しています。

これに対して、私の周囲には、仕事と子育ての両方を同時にしている人たちが結構います。
プライベートなことを尋ねる気はないため、家庭ではどのようなことをしているかといった具体的なことはわかりません。ただ、直接伝える勇気はありませんが、私には怖くてできそうにないことができるところを、尊敬しています。

制作者の方のブログはこちらです。

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迷子の人形

WOLF RPGエディター製・RPG・ファンタジー・短編・難易度普通・真ED1種類

記憶をなくした人形が、人形職人と共に旅をするという内容です。
そして彼女は、自身について思い出すことになります。

戦闘に勝利するには、装備品が役に立ちました。
また、スキルによって敵を出現させることができ、経験値を獲得しやすかったです。

全体的に、幻想的な雰囲気がありました。
探索によって少しずつ真相に近付く過程を楽しむことができました。

序盤に出てくるあるシーンが、エンディング近くに出てくるシーンと繋がっています。
この繋がり方が印象的で、特に好きだと感じました。

制作者の方のサイトはこちらです。

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プリパラ

アニメ・現代ファンタジー・1期全38話・2期全51話・3期全51話(予定)

小学生の女の子が、「プリパラ」と呼ばれる仮想現実世界の中に入るという内容です。
「プリパラ」とは、チケットを持っている女の子であれば、誰でもアイドルになれるという場所です。

1期第2話のラストに衝撃を受けました。そして、結局そのまま3期まで見続けることになりました。
個性的なキャラクターと予想のつかないギャグが多く、見ていて面白かったです。
コメディ要素が強いので、明るい気分になれました。

一方で、「友情」や「夢」といった、真面目なテーマ性もあります。
登場人物たちが、作中で出会ったメンバーと交流を重ねていくことで成長したように見える場面があり、時には彼女たちを参考にすることが必要なのかもしれないと感じました。
とはいっても、カオスなギャグの割合の方がかなり高いため、主人公の長所などを真似できなくても劣等感を覚えずに済み、安心できました。

その中でも、2期後半から登場した、「紫京院ひびき」というキャラクターにまつわる話が特に好きです。
性格形成のきっかけとなった過去を知ると、この人が抱える問題を解決することはなかなかできないのではないかなと思いました。
子ども向けアニメということで、シーズンの最終話までには全て決着がつくのだろうと予想していました。しかし、3期まで見ていると、一部は解消したものの、まだ問題は残っているとわかりました。
こういった面で、時折は現実的に思える部分も見せてくるところに好感が持てました。

ちなみに、紫京院ひびきについては、「純・アモーレ・愛」という曲のライブシーンも好みです。
こちらは単純に格好良かったです。そのため、「アモーレ」という単語は私の中では、サッカー選手の発言よりこちらの印象が強いです。

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