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お気に入りと自由帳

フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。

魔女と蝶の夢

百合要素あり・RPGツクールMV製・ADV・ファンタジー・短編・
難易度低め・ED1種類

とある呪いがかけられた世界で過ごす、魔女と村長の娘の関係性が描写された物語です。
百合要素は軽めです。関連作もありますが、単体でプレイしても問題ありません。

作中で登場するアイテムには、クリアするために必要のないものが多々あります。
けれども、小ネタが多く含まれていて面白かったです。探索するほど世界観を把握することができるため、可能な限り入手したいと考えながらプレイしました。

ストーリーは、「呪い」というものによる寂しさもありますが、その中でささやかな喜びを得る登場人物に好感が持てるものでもありました。
終わった後に余韻が残る作品でした。

製作者の方のサイトはこちらです。
ゲーム自体は、「ふりーむ!」で公開されています。

2023年1月5日追記……現在は、サイトがなくなっています。

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青い春を数えて

武田綾乃・講談社文庫・2021年

女子高校生5人の心情が描写された連作短編集です。
長文になるため、最後の2段落を読んでいただくだけでも構いません。

この作品に登場する人物は、それぞれが異なった価値観を持っています。
しかし、価値観の違いを受け入れながらも、他者と関わっていこうとしているところに、魅力を感じました。
その中でも特に、言葉の扱い方について書かれていた点が印象に残りました。

最近ニュースサイトで読んだ記事に、「『実は傷ついてます。』絶対言わないで!最悪な『誉め言葉』があった!」というものがあります。
ちなみに、記事を載せていたのは、「beautyまとめ」というサイトです。リンクはこちらです。

記事に書かれていた最悪な「誉め言葉」とは、「いい人」、「まじめだね」、「イケメン」の3つです。
この3つ全部を複数人から言われた人を知っているものだから、つい笑ってしまいました。
この記事に対しても私に対してもどう思おうが自由です。ただ、そのような発言をしている人が、全く同じ言葉を誰かから言われたらどう考えるのかは気になりました。

同じように、発言した人には全く悪気はなくても、言われた側が不快に感じる可能性のある言葉があります。
それが、この本で触れられている、「可哀想」という単語です。世の中にはいろいろな人がいるので、自分は不幸だから「可哀想」と言われると嬉しいというタイプの人もいるとは思います。
ただ、私の中ではこの言葉は、人から言われたくないし、人に言いたくもない単語の上位に入ります。その主な理由は、この小説及び井手上獏さんの解説に書かれています。そのため、かなり好感が持てる本でした。

また、井手上さんは解説で、「色々な人に関わることができる」という状況にいるため、「それを活かして価値観を無限大に広げて、まだまだ自分の知らない部分をどんどん知っていきたい」と書かれています。
一方、私の場合、色々な人に関わるために積極的に外に出ていくことは面倒だと感じます。勇気が必要なこともあります。

けれどもその代わりに、多種多様な価値観を持ったキャラクターが登場する、フリーゲームというものがあります。クリア後にあとがきを読んだりサイトを見たりすると、本編をプレイするだけでは気付けない、製作者の方々が持っている様々な考えを知ることもできます。
そして、フリーゲームに触れていなかったら、このような価値観を持っている方がいると知る機会はなかっただろうなと思うことが多々あります。
そのため、フリーゲームを通して価値観を広げたいと感じました。といったことを考えられるような、面白い小説でした。

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静寂には遅い

12歳以上推奨・残酷描写あり・WOLF RPGエディター製・ホラーADV・
現代・短編・難易度普通・ED1種類

1人の女性が、とある部屋から聞こえてくる声を止めようとするという内容です。
全4章で、各章が終わるごとにオートセーブされます。

探索面では、アイテムを入手する方法に気付くまで時間がかかることが時々ありました。
しかし、総当たりしていれば必ずエンディングに辿り着けるようになっていたため、途中で中断せずにクリアできました。

ストーリーは、全てが語られているとはいえないものの、マップから考察できる点が好みでした。
人間の怖さを感じるようなものでした。

製作者の方のサイトはこちらです。

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黄泉廻道

WOLF RPGエディター製・ADV・現代ファンタジー・短編・
難易度低め・ED1種類

祖母の葬式から家に帰るために列車に乗っていた少女が、冥界行きの列車に迷い込んでしまうという内容です。
彼女はその列車で、車掌としての仕事を手伝うことになります。

立ち絵が動くなどの画面演出が多く、眺めるだけでも楽しめました。
探索面では、迷うような場面はありませんでした。ゲームフォルダには攻略のヒントが同梱されているので、途中で詰まったとしても困ることはないと思います。

この作品は、「普通とは何か」がテーマとなっています。
主人公は自分自身の個性について悩みを持っており、ストーリーを通して少しずつ解決していきます。
大切だと感じる言葉がたくさん出てきて、可能であれば今後も覚えておきたいと考えました。

製作者の方のサイトはこちらです。

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アネモネとメルヘン

残酷表現あり・ティラノスクリプト製・ホラーノベル・女性向け・
洋風・短編・選択肢あり・難易度低め・ED4種類

死んでしまったメイドが、大切な人に会いに行くという内容です。
最初の選択肢で、会いに行く相手が変わります。

イラストの淡い色使いが物語と合っていて、好みでした。
一部ではありますが、アニメーションが含まれていた点も楽しめました。

作品の紹介ページにも載っていますが、登場人物それぞれの言動には、身勝手なところがあります。
それゆえに起こってしまった悲劇が描写されていて、怖さもありましたが、切なさも感じました。

製作者の方のサイトはこちらです。

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