フリーゲームを中心に好きなものの感想を書いています。 ※探索系のゲームと区別がつきやすいように、文章を読んで進めるタイプのものはADVであっても基本的にはノベルとして扱っています(ただし、ツクール製の場合などまれに例外があります)。制作者名を表記して欲しいという要望があれば、教えて頂けると嬉しいです。コメント返信等に関する注意書きは「はじめに」カテゴリに載せています。
ダニエル キイス・早川書房・1989年
心理学の講義を受けたことがあります。その心理学の教科書で紹介されていました。
あることをきっかけとして、主人公の男性に変化が起こるという内容です。
この本について、心理学の先生は「ひらがなが多くて変な文章から始まる」と言っていました。この説明を聞いていなければもしかしたら、読みにくい文章だと感じてすぐに読むのをやめていたかもしれません。しかし、実際は、ひらがなの多い文章から始まることで、主人公が成長して文章にも漢字が増えた時の変化が楽しめました。
読んだ時の一番の感想は、「ギャルゲみたい」というものでした。そのような見方をする小説ではないだろうなとは思いました。それに、恋愛がメインではなく細かいことを挙げていくとギャルゲと異なる点は多数あります。けれども、男主人公の視点で物語が語られる点や、主人公がいろいろな人と関わっていく上で成長し、覚えていなかった昔のことも思い出し、異性とも付き合うという点から当時はそう感じました(ギャルゲを数多くやっている訳ではないので違う部分もあるかもしれませんが、ギャルゲに対してはそのようなイメージを持っていました)。
タイトルにある「アルジャーノン」の出番が少なく感じたのは気になりました。心理学のどの内容と関係があったのかも忘れてしまいました。
しかし、主人公と周囲の関係が興味深い内容でした。また、主人公が頑張っている様子が伝わってきて、自分も頑張ろうという気持ちに少しだけなれました。